礼儀正しい言葉遣いをしていたのが驚くべき雑言を吐く様になった。 「俺は武将の児だ。柔軟な女子の様な等と言はれるのはこの上もない恥だ。よし、このおれがどの様な男かみるがいい。」
吉法師は自分の優美な顔や姿に憎しみを燃やしその印象を変へようとしたのである。 「若君は急に変わられた。ようやく男らしうなられた。あの調子、あの調子」と悦ぶ者が多かったのは戦国お時世のせいである。
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