吉法師はすくすくと成長して美しい少年になった。どうかすると男装している少女の様にさへ見えた。「何と美しい」「まこと女子の様な」と村の衆は感嘆した。 武将の児は器量が良うても何の足しにもならぬ、鬼瓦の様な面がまえでも逞しく勇ましいのが頼もしいわ・・・ 家来たちの陰口を耳にした吉法師はその日を境に行状が一変した。
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